こんにちは。瀬津子(59歳・主婦)です。
今日は「食材研究所」をお送りします。
今月は「ムスリムの食事」です。
「ムスリム」とはイスラム教徒のことで、イスラム教徒のいる国はサウジアラビア、UAE(アラブ首長国連邦)などの中東の国、エジプトなどの北アフリカの国、インドやタイ、マレーシアなどの東南アジアの国の一部地域の出身の人たちです。
ムスリムの宗教はすべてイスラム教を信仰していますが、食べ物についてはイスラム教の教えに定められています。これらの教えに違反した場合は取り返しのつかないことが起こる恐れがあります。
ムスリムが食べることを許されている食事のことを「ハラール・フード」、一切禁止している食事のことを「ハラーム・フード」といいます。
まずは「ハラーム・フード」についてどんなものなのかを挙げてみますと…。
豚肉:豚肉そのものもNGですが、豚肉の成分が含まれているものもNGです。例えば、ハムやソーセージなどの肉加工品、ショートニング、ラード、ゼラチンなどです。
酒:酒はビールや日本酒、ワインなど、酒全般です。酒そのものだけでなく、酒が含まれているものもNGです。例えば、料理酒、みりん、しょうゆ、酢といった日本では欠かせない調味料はムスリムではNGです。ほかにはバニラエッセンスなどの香料、酒粕などもありますね。
以上の食材は、ムスリムでは一切口にしてはいけません!!
これに対して、「ハラール・フード」はどんなものがあるのでしょうか?
穀物類:主に米やパスタ、パンが中心。ムスリムではインディカ米(タイ米)、クスクスなどを食します。
野菜・果物:写真は冷凍のブロッコリーですが、ほとんどの野菜・果物はムスリムは食します。
乳製品:写真はイタリア産のゴルゴンゾーラですが、乳製品は牛乳、バター、チーズなどがあり、ムスリムは食することができます。
魚介類:魚介類はほとんどの魚、甲殻類、貝類、海藻類を食しますが、しょうゆなどで加工した魚介類はNGです。
肉類:肉類はハラーム・フードである豚肉はNGですが、豚肉以外の肉はOKです。ただし、イスラムの教えにのっとって処理されたものでしか食べてはいけません。肉は「ハラール認証」を受けたものでしか食べることができません。
「ハラール認証」とはイスラムの教えにのっとり、厳格に処理された肉の証で、ハラール認証を受けた肉は現地国ではありますが、日本では販売しているお店が限られています。
日本の場合、ムスリムの日本人がいないのもありますが、日本に住んでいるムスリムの外国人が、ほかの国全体で非常に少ないです。日本は西洋や中華などの料理のバリエーションが増えているとはいえ、学校や職場では食の多様性を認めていないため、学校給食や学食、社食で非常に苦労しているムスリムの外国人が多いです。
ムスリムの食事は非常に難しいですが、日本人はムスリムの現状を理解し、食事についても全面的な配慮が必要です。
どの国も食に対する理解を深めましょう。
*参考リンク*
イスラム教徒の食事を徹底解説。ハラールフード&禁止された食品一覧(進め!中東探検隊):https://seiwanishida.com/archives/7809
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